問わず語り
 

癒し

坂本龍一のアルバム「ウラBTTB」がTVコマーシャルに
使われたのをきっかけに大ヒットしたが、
そのときのキャッチコピーに「癒し」という言葉が使われていた。
「癒し」という言葉は別に目新しいことばでもなんでもないが、
ときの人々が求めていた心情とうまく合致したのか、
「癒し」ということばがひとり歩きしたように、
音楽をはじめ様々な物品や本の頭に付加されて、
結構売れ行きもよかったようだ。
本のほうでは、映画にもなった「グリーンマイル」とか「葉っぱのフレディー」が
癒しの文学といわれていたし、「香り」系の「ハーブ」や「アロマテラピー」も
デパートで豊富に売られていた。(こういう現象を「はまった」というのだろう)
「香り」にはもともと関心があったが、流行りものにのってみようかと
でかけていって「アロマテラピー」のコーナーで、線香を購入してきた。
ちなみにあげると「竹」「ラベンダー」「カモミール」
「ローズ」「白檀」「沈香」などを買ってきた。
試してみるとなかなかいいもので、とくに「沈香」と書かれた
線香が気にいってしまった。
気にいると、悪い癖で(閑だから)ついいろいろ試してみたくなって、ついでに「香」の歴史まで調べてしまった。
長くなるといけないのでかいつまんで書くと、
日本の香の歴史は結構古くて、西暦595年に淡路島に香木が漂着したという記が
日本書紀に記述されているらしい。
それから150年後の天平5年に、かの有名な東大寺の正倉院にある「蘭奢待」
と銘された伽羅木が渡来したと、ものの本にかかれてあった。
産地は安南(ベトナム)だと思われる。
(「蘭奢待」の文字を分解すると、東大寺となりますが解りますかね?)
ご存知のように、代表的な香木の種類は、大きく分けて「伽羅」「沈香」「白檀」
の3つです。3つのうち「白檀」はビャクダン科の常緑高木です。ことわざの「栴檀は双葉より芳し」の「栴檀」は白檀のことです。
「伽羅」と「沈香」も木ではありますが、木のなかのあるエキスが凝集し凝縮して油
状になった塊です。沈香木の最高種を伽羅と呼ぶらしいんですが、沈香と伽羅とでは
香りがまるで異なっているらしいんです。(どなたか試したら教えてください)
伽羅は高価でいいものは金より高いと聞きました。
一度試してみたいです。いい「癒し」になりますかね?

 
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