問わず語り
 

くらげ

 「すべての生命は海から始まった」というダーウィンの有名な言葉があります。
  海には実に多種多彩な生命が満ちあふれています。 人からみて一見なんの価値もなさそうな生物も 海の世界を形づくるに重要な役割をはたしているのです。 たとえば、ヒドロ類やイソギンチャクやサンゴやクラゲなどの腔腸動物です。 わかりやすくサンゴでいえば、珊瑚礁のように大きく展開したかたまりでみると、見失いがちですが、 微細にみれば一個のポリプ(細い管状の生命体)から始まっています ポリプに口がつき触手がつき刺胞も持っていて、 イソギンチャクやクラゲ類と同じ構造がみてとれます。 微細な生命が群れて広がり、他の生命を呼び、育くんで、活き活きとした 海の環境を形づくっていきます。 食物連鎖と同じですね。 岩の少ない南の海では、珊瑚礁が環境を固定する重要な役割をしています。 サンゴが死滅し、生物達も寄りつかなくなった海の状態など想像したくもありません。
  きょうは実は「クラゲ」のことを書きたかったのですが 前説が長くなってしまいました。
  「クラゲ」もたくさんの種類があり、それぞれ面白い特徴や生態があって、つい、あれもこれもと考えてしまいますが、海水浴や釣りなどのときフワフワ浮かんでいちばん 目にするクラゲらしいクラゲで「ミズクラゲ」というクラゲを紹介します。
  傘の部分は寒天質で水分が95.34%もあります。塩漬けにして食用にする「エチゼンクラゲ」と 同じ鉢クラゲですが水分が多すぎて形になりません。 一生をこの鉢形で過ごすのではなく、たまごは岩などに定着して、小さなイソギンチャクのような ポリプの時期があり、そこから幼クラゲになります。 刺胞はありますが毒は発射せず、人には無害ですが、ときに異常発生して困らせることがあります。 泳いでいてぶつかったら、そっと頭などを撫で、押しのけてやってください。

 毒といえば、海水浴シーズンですので、注意するクラゲを急いで書きます。
 「アンドンクラゲ」と「カツオノエボシ」にご注意、 毒を発射するクラゲは結構多いのですが、海岸に寄ってくるこの二つは特にご用心

「アンドンクラゲ」
 盆をすぎると海岸沿いに現れます、 特徴は名前のようにアンドンの形(四角にみえ角に四本の足が流れる)。 クラゲとは思えぬスピードで泳ぎ(多分クラゲ中最速)大挙して押し寄せます。 このクラゲを見かけたら、子供を波打ち際に呼び寄せたほうが無難です。 自らこのんで刺しませんが、腕に触れると強い痛みを覚えます。

「カツオノエボシ」

 海に透明なビニール袋が浮かんでいたら注意してください、その下に長い触手が付いています。「カツオノエボシ」です。 刺されますと、痛みと腫れがあり、ときに呼吸困難をともないます。 知らない若者が、拾ってきてキャッチボールなどしていたら、注意などしてやって下さい。

 
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