問わず語り
 

おおかみ

犬のルーツをずっと探っていくと
いつか「オオカミ」とか「ヤマイヌ」と交差する。
日本でも2種類のオオカミが存在していた。
「ニホンオオカミ」と「エゾオオカミ」である。
いまは残念ながらその姿を見ることはできない「ニホンオオカミ」と
言われているオオカミは1905年(明治38年)に
ロンドンの動物学会と大英博物館から派遣されたアメリカ人、
マリコム・アンダーソンが奈良の鷲家口で猟師から買い受けた
一頭の死んだ雄のオオカミが最後の姿であるとされる
(ワシカグチオオカミと表記され、大英博物館に標本として現在も残っている)
「ニホンオオカミ」はヨーロッパに現在も生息するいわゆるオオカミ
(ハイイロオオカミ)とは大きさも特徴も違っていて、かといって
カイイヌとも違っているので独立種と見られている。
(ヤマイヌともいわれるが、ヤマイヌも極めて原始的なタイプの「オオカミ」に
分類されている)
大きさは中型犬ぐらい、足が短く、口吻が深く切れ込み、
古代の伝承で「大口」とも呼ばれていた。
絶滅した原因は諸説あるものの確かには解っていない。
本州、四国、九州に分布。
「エゾオオカミ」は犬属最大の種であるハイイロオオカミ(外見はシェパードに似ている)に近く、ハイイロオオカミの亜種と分類されている。
1896年(明治26年)頃まで北海道に生息しエゾシカなどを狩っていた。
北大農学部付属博物館に雌雄一頭ずつの標本(模式標本)がある。
記録によると、北海道の開拓が本格的に始まった1876年(明治9年)頃
から馬の被害が相次いだため、賞金を出して、オオカミ駆除にのりだした
1888年(明治21年)駆除奨励策を廃止したが、その12年間に1539頭の
オオカミが捕獲され、その他の捕獲をいれると3000頭の捕獲が推定された。
1896年函館の毛皮商人がその毛皮を数枚扱ったという記録が最後で、その後
絶滅したとされている。

 
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