問わず語り
 

ゆきんこ

雪虫という、奇妙な虫がいます。
雪国の方ならば、普通に見る虫ですから、知っているとおもいますが、
「ゆきんこ」とも呼ばれています。私はこの言い方のほうが好きです。
雪虫と通称されていても種類は色々あるようで、飛べる種類と飛べない
種類がいるようです。
水生昆虫の種で、カゲロウやトビゲラ類の仲間でカワゲラという昆虫が
いますがこの内に「雪カワラゲ」と呼ばれる種がいます。陽のあたる
雪の上などに黒くもぞもぞと動いているのを見たことがありますが、
この虫も雪虫と呼ばれています。
もう一種「ゆきんこ」と呼ばれる「ワタアブラムシ」科の昆虫がいます。
5mmほどの白い虫で、ふわふわとまるで雪が舞っているように飛びます。
簡単につかまえることができますが、弱いので、すぐにつぶれてしまいます。
「郡上」あたりでは、今年11月の始め頃
この「ゆきんこ」が舞ったと知人が知らせてくれました。
晩秋の野にこの虫が舞うと、地の人は雪が近いことを知ります。
「ゆきんこ」は雪の使者、雪の精なのです。

雪降るぞ 雪降るぞ

ゆきんこ舞ったで 雪降るぞ

温っくい べべ出せ 子に着せろ

精だせ お父う 精だせ お母あ 

精だせ 兄いや 

みんなみんなで

ことしの実りを穫りいれろ

ゆきんこ舞ったで 雪降るぞ


 
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